![]() |
||||
| 2003年は,ベテランだけでなく,トラディショナル・グラスやニューグラス系の若手によって,傑出したインストアルバムが多数生み出された。そういう意 味で,例外的な年だった。 and the outer orbits of the newgrass galaxy. (ニューグラスという宇宙の外側の軌道から,だからニューグラスの新進アーティストってこと?) |
||||
| 1. Sam Bush and David Grisman, "Hold On We're Strummin'" (Acoustic Disc): ルースなジャムセッション・プロジェクトとして始めたものが,ニューグラス界で最も重要なパイオニア二人による,新しい,そしてタイトなアレンジの作 品の宝庫となった。数曲は無伴奏のマンドリン・デュオ,残りはフルバンドをバックに演奏している。また,長いジャムの断片が,メインコースの間に供さ れる口直しの一皿(ソルベとかね,そんなフルコース食べたことないけど 訳者注)のような役割を果たしている。オープニング・カット"Hartford's Real"は, グリスマンの1970年代後期のオリジナル・クインテットを彷彿とさせる作品で,このダブル・マンドリンの傑作に生き生きとしたトーンをもたらしている。 |
||||
| 2. Mike Marshall & Chris Thile, "Into the Cauldron" (Sugar Hill): 二人のマンドリン・モンスターによるもう一枚のアルバム,"Into the Cauldron"は,この楽器の将来を語る上でのロードマップとなるかも知れない。 純粋に技術的な面において,本当に対等の相手は,シーリにとってはマーシャル,マーシャルにとってはシーリである。だが,彼らの作曲やインプロヴィ ゼーションは,興味深くそるフルですらあり,単なるマンドリン狂の粋すぎたお遊び的なものではなく,純粋な音楽として推奨できる |
||||
| 3. Del McCoury Band, "It's Just the Night" (McCoury Music): デル・マッカーリと彼のグループは,長年にわたり多くの優れたアルバムをリリースし続けており,一つの作品としてとらえたいくらいだが,この"It's Just the Night"は,これまでに出たアルバム同様,それ自身際だった特徴を持っている。スーパーピッカーの息子ロニーとロビーを含むバンドメンバーは, パパ・デルに---少なくともブルーグラスとしては---普通ではないレパートリーを持ち込み続けている。デルは,それをマッカーリ・バンドのサウンドに 組み込み,DMBをトラディショナル・バンドの中で最もプログレッシヴなバンドにしているのだ |
||||
| 4. Mark O'Connor, "Thirty Year Retrospective" (OMAC): コンサートのライブ録音。オコナーのこれまでの軌跡をまとめている。マンドリンにクリス・シーリ(ニッケル・クリーク),ギターにブライアン・サット ン,ベースにバイロン・ハウスという強力な「ストリング・カルテット」を招集して,オコーナーの各作品の最もよい部分を引き出している。"Stone From Which the Arch WasMade"など数曲は,オリジナル・ヴァージョンよりグレードアップしており,新しいアレンジとインストルメンテーションは, オコナーがラウンダーの後 |
||||
| 5. Karl Shiflett and Big Country Show, "Worries on My Mind" (Rebel): カール・シフレットの音楽は,ユーモアと,初期の時代に聞かれたスタイルに対するセンスを伴って,純粋に楽しい。彼らのエンターテイメントの価値が, 彼らの見せかけ程度のものだとしても,彼らは「なんじゃ,こりゃ」という感情と真剣な芸術性とを見事にバランスと取る特殊なセンスを持った,素晴らし いミュージシャンである |
||||
| 6. Andy Leftwich, "Ride" (Skaggs Family): リッキー・スキャッグスが見出し,今ではスキャッグスのケンタッキー・サンダーの一員である,フィドラー/マンドリニストのレフトウィッチ。彼は,スト レート・ブルーグラスとプログレッシヴ・ピッキングというスフェンスにまたがっていて,継ぎ目のない適正さの感覚によって彼のライティングとアレンジ がこのペクトラムの両端を結合させている。彼のテクニックの核にあるのは,きらめくようなトーンで,同じ若手のクリス・シーリのそれのようであるかも 知れない。 |
||||
| 7. Team Flathead, "The Huber Banjo Sessions" (Huber): チーム・フラットヘッドは,トップランクのバンジョー奏者---サミー・シラー,ジム・ミルズ,ロン・スチュアート,スティーヴ・ヒューバー,ジョ ン・ロウレス---のタッグチームである。彼らがそれぞれ数曲を演奏し,ディスクで聞けるベスト・ストレート・ブルーグラス・バンジョー・ピッキングとな った。さらに,優れたオーディオマニア好きのサウンドによって,楽器の持つハードエッジの官能にどっぷり浸ることができる。 |
||||
| 8. WhiteHouse, "WhiteHouse" (Pinecastle): ひと味違うブルーグラス・スーパーグループ,ホワイトハウスは,ラリー・ステーヴンスン,デヴィッド・パームリー,ミッシー・レインズ,ジェイソン・ カーター,チャーリー・クッシュマンをフィーチャーしている。印象的なのは,様々なトップバンドからさくらんぼを摘むようにして集まったミュージシ ャンのこのアンサンブルが,ワーキング・ユニットとしてどのようなサウンドになるかということだ。そのタイトな結びつきにより,使い回された重いプロ グラム(使い回されたレパートリー)に,オールスターものでは滅多に到達できないような痛烈な一発をお見舞いしている |
||||
| 9. Allen Watkins, "Light of the Crescent Moon" (Battleground Music): フロント・ポーチ・ストリング・バンドとロンサム・リヴァー・バンドのメンバーだったワトキンスの最新ソロアルバムは,個性的なバンジョーのオリジナ ル曲を集めたもので,しばしば巧妙でトリッキーなパッセージを豊かで覚えやすいメロディに接ぎ木している。彼は,より広く認知されるべき才能の持ち主 である |
||||
| 10. Katsuyuki Miyazaki, "Mandoscape" (Red Clay): 宮崎は1996年にインストアルバム("Man-OMandolin")を発表しているが,そのプレイとライティングの両面から言って,この最新作は遙かに前作を凌駕する ものである。クリエイティヴなバンジョー奏者であるスコット・ヴェスタル,豊かなトーンのフィドラー,オーブリー・ヘイニー,才気溢れるギタリストの デヴィッド・グリアら,腕利きのプレイヤーを集めて,宮崎の一連の作品は,彼が息もつけないほどのフラッシーなプレイでたぎっている瞬間ですら, ロマンティシズムというきらめきを放つ。 ひさえちゃん、thanks! |
||||