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”OWLISH NIGHT”

今年ももうすぐ終りです。どんな一年だった? 
と、いかにも有りがちな挨拶をしてしまったが、
でも一年を振り返るには実はまだちょっと早いんだよな。
18日の恒例プラネタリウム・ライブ、25日のクリスマス・ワンマンライブが無事に終わってからだぞ。
プラネタリウムでのOWLのライブをまだ見たことがない人、今年こそぜひ!
半球の天蓋の、どこか微かに過去からの脈動の聞こえてきそうな、不思議に
落ち着く空間は、確かにOWLの音楽に似合った場所のひとつだと思うから。

そしてクリスマス・ライブ。
「彼女いない歴百億年」のゲンタとしては、クリスマスの夜に、みんなに歌を
聞いてもらえることが何より嬉しいのだ。
その夜が、特別に透明な夜になるように、みんなに聞いてもらいたいと思う
591新しい曲も作りつつあり。間に合うといいな。
なおかつこの二つのライブ、考えてみれば僕の今年の誕生日プレゼント代わりってわけでもある。
もう、ぜひぜひ来て。待ってるからね。

僕からはクリスマスプレゼント&お歳暮として、次の詩を。


「聖夜」

 

         僕は絶叫マシンに乗れません

         気分が悪くなるのです

         だから君は ひとりで愉しんでおいで

         僕はずっとここで見ています

         退屈などではありません

         君がダブル・ループを回るたび

         垂直落下するたびに

         顔をくしゃくしゃにしながら

         僕に手を振る様子はなかなかに素敵だし

         それに空はすっかり鉛色です

         あんなにうっとうしい

         気の滅入るような雲の中から

         もうじき最初の雪のひとひらも

         静かに降りてくるのでしょうし

         やがてはあたり一面を

         ピンとした空気で包み

         ほの白く光射す 清らな世界に変えるでしょう

 

         そうして君が散々に

         絶叫マシンを乗り飽きたなら

         暖かい紅茶を飲みましょう

         紅茶は嫌いではありません

         憩らうような湯気の向こうの

         ほてった君の微笑みの

         この世のなかでたったひとり

         僕だけのものかもしれない幸福を

         僕はゆっくりと噛みしめましょう

 

         今 女の子がひとり きゃらきゃらと笑いながら

         お母さんと手をつないで飛んで行きました

         女の子の吐く息は 

         たくさんな月と夢と手をつないでいました

         暖かい紅茶を飲みましょう

 

         止まったままの回転木馬やチェーンブランコは

         物憂げに巡る観覧車は

         もう僕にはそれほど寒々とした光景ではありません

         イルミネーションのメインストリート

         その洪水を泳ぐ恋人たちは

         あるいは密やかに

         あるいははしゃぎつつ・・・

 

         今夜この場所には 言えなかった言葉など

         ひとつもないように思われます

         けれどもやっぱり言葉の幽霊どもは

         確かにひとりにひとつぶん

         息をし 息をして

         確かにひとりにひとつぶん

         こだまに響いてはいませんか

 

         終電間際の人もまばらな列車のシートを

         まるまるひとつぶん僕たちはせしめて

         遊び疲れた体と心を

         うつらうつらと休ませます

         君は先刻から僕の肩に

         産毛の残るおでこをくっつけて

         小さな寝息をたてています

         僕は向かい合った窓に写る僕らを眺め

         車内灯はポッカリと照り

     ・・・・その微細な明滅 その一瞬・・・・

         時間を仮定しようとすれば誰もが頭を悩ませる

         それはいかにも不可知に重奏的なリアルだけれど

     ・・・・あるいは反転した内部宇宙のわずかな現われ・・・・

         ともかくも君の見る夢が

         楽しいものでありますように

 

         駅に着き 扉が開き 風がやにわに舞い込みます

 

         今日も一日 君のことが大好きでした

         明日も君を 好きでありますように

         君が僕のことを 好きでいてくれますように

         幻想第四次の銀河鉄道には乗れなくとも

         僕たちは出来る限り

         ふたりでいたいと思うのです

 

         君が今 ほんの少しむづかった顔をしました

         もう少し目を覚まさずにいてください

         言いたくて言えない僕の言葉も

         やっぱり幽霊になってここにいるので

         もう少し目を覚まさずにいてください

         その今日の 僕の言葉の幽霊を 

         今からきみの頬に落とすから

 

        「神様かもしれないきみ、

                    メリー・クリスマス・・・・」

 

          From GENTA Dec,1999